私が宅建を取った1996年当時、
錯誤といえば「無効」でした。
つまり、
勘違い(錯誤)があれば、
その契約は最初からなかったことになる。
そう教わった記憶があります。
ところが、
今の宅建テキストを読み直してみると、
錯誤は「無効」ではなく、
「取消し」に変わっていました。
正直、
最初は少し違和感がありました。
なぜなら、
錯誤があるなら、
契約自体がおかしいのでは?
と思ってしまったからです。
でも、学び直してみて、
その理由がよく分かりました。
不動産取引は、
契約だけで終わりません。
登記がされ、
ローンが組まれ、
場合によっては転売もされます。
そんな中で、
後から
「実は錯誤でした。最初から無効です」
と言われてしまうと、
取引全体が不安定になります。
そこで現在の民法では、
考え方が変わりました。
錯誤があっても、
契約はいったん有効。
ただし、
勘違いをした本人が望めば、
あとから「取消す」ことができる。
本人を守りつつ、
相手方の信頼や取引の安定も守る。
そのための「取消し」です。
無効と取消しの違いをまとめると、
・無効:最初から効力がない
・取消し:取り消すまでは有効
不動産取引では、
この「安定性」がとても重要です。
30年ぶりに宅建を学び直してみて、
法律は、
単に知識を詰め込むものではなく、
社会や価値観の変化に合わせて
進化しているものだと感じました。
昔は当たり前だった考え方が、
今は変わっている。
学び直すことで、
その理由まで理解できるのが、
今はとても面白いと感じています。


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